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セドリック・クラピッシュ監 督。1961年生

この人2年前の横浜フランス映画祭のときに「パリの確率」とともに来日したんですが(写真は会場のロビー)とてもかわいい男の子でした。そう、彼はまさに男の子、という感じ。なりは確かにムッシューだけど、オーラはぜんぜん年喰って無くてとてもチャーミングでした。スパニッシュ・アパートメントの続編が楽しみです!はやく観たいな。

<セドリック・クラピッシュ監督 フランス映画祭横浜2003来日インタビュー 2003年6月21日 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル>映画タイトル: 「スパニッシュ・アパートメント」ローベルジュ・エスパニョール(原題)

Q/この魅力的なストーリーはどのように作られたのでしょう?

■セドリック・クラピッシュ(以下:CK)「シナリオ自体は2週間ほどで書き上げました。その後に、キャスティングやロケハンがあり、全体にスピーディなプロジェクトだったよ。撮影も含め4~5ヶ月で完成させた映画なんだ。最初のシナリオはレジュメのような状態で、キャスティングの段階や撮影中に、どんどんリライトし、肉付けをしていったんだ。実際にストーリーとしての構成にとりかかったのは編集の段階だね。じっくり時間をかけて、そこで最終的な形に完成したんだ」

Q/有名無名を問わず、俳優たちが皆素晴らしい演技を披露しています。どのような基準でキャスティングされたのでしょうか?

■CK「今回のキャスティングは映画そのもののようにアドベンチャーだった。私自身がヨーロッパを旅してムコペンハーゲン、ローマ、ロンドンなどム色々な都市で俳優を選んだんだよ。それぞれの都市で独自の演技を見ることができて刺激的だったね。俳優たちにとっても刺激的だったと思うよ。キャスティングが決まって、いざ集まってみると、それぞれ違う国の異なったスタイルの俳優がインパクトのある演技を持ち込み、その良さを競う、ある種のコンペティション状態になったんだ。キャスティングから撮影まで、とにかく刺激的な体験だったね」

Q/主人公を演じたロマン・デュリスさんは、監督の作品にも数多く出演されていますが、今回はごく普通の学生の役。今までのイメージを覆すほど見事にはまっていました。彼については?


■CK「目立たない内気な青年役に敢えて挑戦した結果、他人にも自分にも、こういう演技もできるんだということを証明したと思うよ。これまでは、反抗的だったり、極端なイメージの若者を演じる事が多かったからね。俳優として、演技で人物を創作できることを彼は証明したんだ」

Q/アパートで共同生活をする学生の一人を演じたセシル・ドゥ・フランスさんは?

■CK「キャスティングの時に無名の段階で出会って、セザールの新人賞をこの作品で受賞してから、フランスでも有名になったんだ。強い個性を持った女優を発見したという感じだったね。彼女は若いレズビアンの女の子の役で、いわゆる難役だった。この映画は、日常的な細々とした出来事を描写しているんですけど、その中で強烈な個性や緊張感を表すことのできる才能の持ち主なんだよ」

Q/今回はデジタルカメラ(ソニーのHD24p)で撮影されましたね。それが編集時にストーリーを構成していったということに有効に働いたのではないかと思いますが、デジタルカメラで映画を撮ることについてどのようにお考えですか?

■CK「良い点を挙げるとしたら、撮影がスピーディに進むということだね。監督にとっては、すぐに結果を確認できるというのが利点。フィルムの場合は、もちろん現像を待たないとラッシュも見られない。写真家がポラロイドを使いながら仕事をする感覚なんだ。俳優たちにとっては、撮影が早く進む分、一日にこなせる場面やカットが多くなり、待ち時間が短くなる。それだけ演技に集中できて、緊張感を保てるという利点があると思う。逆に不利な点は、どうしても35ミリに比べて映像のクオリティが劣るということかな。だからどんな映画にも使えるというわけではなくて、この作品には良い結果をもたらしたということだと思うよ」

撮影現場は和やかな雰囲気だったのではないかと想像できますが、何かエピソードは?

■CK「10人のヨーロッパ各国の俳優たちは、私生活でも友だちになったんだ。撮影が終わっても一緒に飲みに行ったり、食事に行ったり、誰も一人になりたがらない(笑)パーティもしたし、
スペイン側のテクニカルチームも加わって、本当にいい雰囲気だったよ。フランス対スペインのサッカーの試合もやったんだ(笑)

Q/フランスでは昨年公開され、大ヒットした話題作。日本でも大好評間違いなしだと思います

■CK「どんな展開になるか楽しみだね」

TOP making of "L'auberge Espagnole"